大麻の違法な市場が生き続ける理由

学び By KSUK

カリフォルニア州のエメラルド・トライアングルからコロラド州のフロント・レンジまで、大麻が合法化された州で起きた最近の大規模な強制捜査には、既視感からくる不安が漂っています。

最近では、このような強制捜査の増加は大麻合法化に反対する人々や、自宅で栽培する権利がない、より強い制限がかかった合法化モデルを支持する人へ格好の材料となり、全国的なメディアで取り上げられました。

7月15日、PBS News Hourはコロラド州の元知事であるジョン・ヒッケンルーパー(現在の民主党の大統領候補者)を記事内で引用しました。彼は、2012年の改正案64で有権者が合法大麻を承認したときと、その2年後に合法化されたときの両方で知事を務めています。

「闇市場は消えるだろうと思っていた。明らかに闇市場は収縮したが、そして再び拡大し始めたんだ。これは直感に反しており、予想外の結果だ」

ジョン・ヒッケンルーパー


コロラド州での反発

PBSのレポートは、2018年3月にDEA(麻薬取締局)が78,000以上の大麻植物と2,300ポンド(約1043キログラム)以上の加工されたマリファナを押収し、おおよそ200の捜索令状を出して数十人が逮捕されたデンバー北部郊外での突撃を詳述しました。この襲撃は当時、地元メディアで「麻薬カルテル」を狙ったものとして大々的に報道されています。

レポートは、地元警察の支援を受けた連邦捜査官が約250件の捜索で数十人を逮捕し、8万本以上の大麻植物と4,500ポンド(約2041キログラム)の芽を押収した、今年5月の出来事については触れていません。これらの襲撃は、デンバー郊外の高級住宅地など、州内のいくつかの場所を標的にしていました。

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PBSは同様に、コロラド州の違法大麻産業への国際犯罪組織の関与を誇張していました。マイアミにあるDEA現地事務所の情報部長であるジャスティン・ミラー氏は、「キューバの麻薬密売組織はコロラド州などに移転して活動を開始し、代理人をフロリダ州に残し大規模に大麻を製造・流通させ、コロラド州から配信ている」という警告の言葉を残しています。

PBSが引用した公式統計によると、コロラド原産の違法大麻は少なくとも34州で押収されましたが、出所がどのようにして特定されたのかは説明されていません。コロラド州当局が発表したこの統計は、フロリダ州とのつながりを示していると言われています。

2013年から2017年の間に、コロラド州で少なくとも70回、違法生産物が発見されたようです。

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昨年、コロラド州の連邦検事を辞任したボブ・トロイヤー氏も、「ノーマライゼーション(違いを吸収して全体を均一化すること)を目指す商業化が、国際的な闇市場活動の磁石になるとは誰も予想していなかった」と同様の考えを示しました。

また、合法大麻業界からは「合法化」のより限定的なモデルを求める声も聞こえてきます。PBSが誤って「テラピン駅」と記述した、大麻栽培者で調剤チェーン企業の社長であるクリス・ウッズ氏(実際にはテラピンケアステーション)は、コロラド州歳入局と大麻法執行局が、各工場にRFIDタグを取り付け同社の業務をどのように追跡・調査しているか自慢していました。

ウッズ氏は、あまりにも寛容すぎる合法化が自由奔放な自体を引き起こしたと不満を述べます。

「コロラド州や他いくつかの州で起きた間違いの1つは、家庭での栽培を認めていることだと思う。そして、今私たちが目にしているのは、これまでの過ちから来る多くの浄化作用だ」

Chris Woods

西海岸市場の供給過剰

気味が悪いほどに合法化以前を思い出させる大規模な強制捜査も、ここ数週間でカリフォルニアから報告されています。6月下旬にトリニティ郡で行われた違法大麻押収に続き、わずか2週間後にはメンドシノで同様の作戦が行われました。

Boston Globe紙は今年、カリフォルニア州とオレゴン州での過剰生産が違法市場を拡大させていると非難しました。大麻業界の法律事務所であるVicente Sederbergのアンドリュー・リビングストン氏は「過剰生産により、一部のオレゴン州の農家は違法で価格がはるかに高い州でも植物を販売するようになった」と述べます。

オレゴン州のリーガル・プロデューサー(法律家)たちは、州境を越えて合法化された他の州への輸出を認めることで、供給過剰を緩和するよう求めています。6月、オレゴン州議会は州知事が同様に合法化された近隣州との貿易協定を締結することを認める法案を承認しましが、この解決策は連邦政府の干渉を招きそうです。

これは明らかに即刻的な解決策ではありません。「闇市場では多くの利益が得られる」と、メンドシノ郡保安官トーマス・D・オールマン氏は4月にNew York Timesへ語りました。合法化については、「警官を失業させたわけではない」と言います。

カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、北カリフォルニアの違法耕作問題は「悪化しているのではない」と宣言し、州兵を南部の国境警備隊から北部の大麻撲滅に向けさせました。

NYTの記事はまた、あまりに自由すぎる合法化を恐れる業界内の声も反映しています。オレンジ郡の小売店で売り上げが減少しているのを見てきたロバート・タフト・ジュニア氏は、「私たちは納税者であり、他の誰も運営すべきではない」と主張。同氏は、この売上減少は不正市場との競争によるものだとしています。「これは馬鹿げてきている。それはまるで、州が負ける運命にあるかのようだ」と、NYTにロバート氏は述べました。

しかし、ニューヨーク・タイムズの記事は、カリフォルニアの本当の問題は市場に対する規制が多すぎるという可能性を示唆しています。州法では大麻ビジネスを禁止する権利が地方自治体に与えられており、カリフォルニアの500近い自治体の80%が大麻ビジネスを禁止しています。このため、州内の多くの地域では、消費者が違法な市場に取って代わる手段はほとんどありません。

Boston Globeが掲載した、業界コンサルティング会社BDS Analyticsの調査によると、2018年のカリフォルニア州での大麻売上高は82%が違法市場で占められており、これに比べ、コロラド州では33%、ワシントン州では39%、オレゴン州では48%となっています。

過度の合法化?それとも不十分?

2016年に合法化イニシアティブを承認したマサチューセッツ州では、大麻販売の75%が引き続き違法市場で行われていると推測されています。そして、Globeの見積もりによると、これは合法的なものが限られているためかもしれません。州内で営業している小売店は8店舗しかなく、多くの住民は長距離移動か違法購入のどちらかを選ばなければなりません。

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Globeは、リーディング町の消費者の声を引用しています。

「行政は大麻の購入を不便なものにしてきた」と彼女は言います。彼女の最寄りの小売店は辺ぴな所にあり、小売店へ着いたときには「行列があまりにも凄かった」ため、わざわざ中に入ることさえせず、代わりに闇市場で購入したそうです。

また、大麻ビジネスに参入する際の官僚的な障壁も、供給を圧迫している可能性が高いです。「残念なことに何千ドルもの費用がかかる」と語るのは、医療用大麻の使用者であり、ウェイマス市の起業家であるジョアンナ・バーナー氏。

「ビジネス機器について話すことすらない。。。ほとんど不可能だ」

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マサチューセッツ州大麻取締委員のブリット・マクブライド氏は、「私たちは法律が意図されていた効果、つまり違法な市場を減らす効果を持っているとを確認したいのだ」とGlobeに語りました。しかし、そこに到達する方法についての合意はほとんどないようです。警察はより厳しい処罰を要求していますが、権利擁護者はそもそも対処しようとしていた人権侵害を繰り返すことになると警告しています。

違法な市場にインセンティブを与えないためには、官僚的な障壁を下げる方が良いかもしれません。そして、警察の認識とは裏腹に、栽培の自由を拡大することで消費者の自給自足を可能にするかもしれません。

参照:cannabisnow


カテゴリー:学び
タグ:DEA,カリフォルニア,コロラド

KSUK

HipHopが好きなことから大麻に興味を持つ。医療用途での研究結果から、さらに大麻へ深い関心を持つ。そんな23歳が運営しています。