ラテンアメリカの大麻市場は約1兆円の価値がある

投資/経済 By KSUK

ワシントンDCに拠点を置く大麻業界調査企業であるNew Frontier Dataからのレポートによると、ラテンアメリカは世界の大麻業界において大きな影響を与えるには十分な立場にあるようです。

New Frontier Dataの創設者兼CEOであるGiadha Aguirre de Carcer氏は、「ラテンアメリカ地域大麻報告書:2019年の見通し(Latin America Regional Cannabis Report: 2019 Industry Outlook)」の序文で以下のように述べています。

2014年、ウルグアイが成人用大麻を合法化する最初の国となって以来、ラテンアメリカ地域の近隣諸国は改革の可能性と政策を受け入れるために様々な規制を始めている

Carcer氏はまた、「国際社会が大麻改革にますます取り組んでいる中で、そうした活動が想像できないような場所でも無数の機会が顕在化している」と言います。

レポートによると、ラテンアメリカの人口6億人のうち1300万人が少なくとも年に1回は大麻を使用しています。これは、合法的・違法含めて大麻の総市場価値は98億ドル(約1兆円)に達すると推定されます。

このレポートは、サンパウロに本拠を置くThe Green Hubと共同で作成されたもので、ラテンアメリカでの医療用大麻市場のリードすることを目的としています。

レポートは4つの主要な市場と今後数年間で発展する可能性がある市場について詳細を記載しています。

「ラテンアメリカは、進化し続ける世界の大麻市場においてますます重要な役割を果たすようになり、法的規制のある産業は地域全体の経済発展、雇用創出、そしてヘルスケアと健康における新たな機会の促進剤となるだろう」



ウルグアイが先導する

とくに驚くことではありませんが、このレポートは完全に成人用大麻を合法化した国であるウルグアイから始まっています。ウルグアイでの消費者は、家庭栽培、大麻クラブ、または薬局を通じて合法的に大麻へアクセスできます。ユーザーは、大麻規制管理協会(IRCCA)に登録し、3つの情報源のうちの1つを唯一のアクセス手段として選択しなければなりません。IRCCAは薬局に供給するために追加の商業生産者のための申請を受け始めようとしています。

このプログラムは円滑なスタートを切ったわけではなく、ウルグアイ市場では2017年の開始後に大幅な供給不足に直面しました。初期の供給不足の原因は、IRCCAが配給を適切に調整できなかったことが原因でした。その後地元の企業であるSymbiosisが製造した最初の大麻製品は、遺伝学やカビ、バクテリア、農薬およびその他の汚染物質に関する管理が不十分としてIRCCAのテストに合格しませんでした。

販売はウルグアイの市民と永住者に限られているという事実にもかかわらず、New Frontier Dataのレポートには「カンナツアリズム(大麻ツアー)」が適していると記載されています。

「非居住者に大麻を提供する一般的な方法は、違法だが厳密には監視されていない「大麻ツアー」であり、顧客はその間に大麻を使用する文化的なツアーに参加するだろう」

コロンビアは有数の輸出市場か

コロンビアは、 「医療用大麻の促進を誘導する世界的な輸出国と位置付けている」と報告され、『安価な栽培費用、理想的な栽培条件、経験豊富な栽培者』を誇っていると言われています。

また、コロンビアはカナダの輸出業者と比較し数分の一のコストで大麻を生産できることが期待されており、太平洋と大西洋の両方へアクセスでき、アメリカの中心に位置するという、素晴らしい地理的にもグローバルビジネスにとって有利です。

2015年にコロンビアは合法的な医療用大麻産業が始まりましたが、当時の大統領であるJuan Manuel Santos氏は完全な合法化に向けた一歩ではないとして、「麻薬紛争の長い歴史を持つ我が国では、社会的汚名が依然として大麻使用者を取り巻いている」と述べました。

コロンビアの気候は、野外温室が12時間の光周期を利用した大麻栽培に適しており、室内での栽培に比べてエネルギーコストが大幅に低くなり、どの地域にも当てはまる可能性があることが非常に魅力的です。

ブラジルは最大の潜在力を持つ市場

ブラジルは、ラテンアメリカで最大の人口を誇る国であり、最大数の大麻ユーザーがいると推定されています(約420万人)。レポートには、「医療用大麻はブラジルにおいて合法であり、個人的な所持と栽培は非犯罪化されている」と述べられています。ただし、 医療用途はCBDのみであり少し煩わしい記述となっています。

ブラジルの医療用大麻プログラムは、行動主義と訴訟の成果です。2014年4月、裁判官はある母親が5歳のてんかんを持つ娘を治療するためのCBD製品の輸入を許可しました。それ以来、患者は治療のためCBD製品を輸入するべく国家健康監視庁(ANVISA)から特別な許可を得ることができるようになりました。2015年にANVISAがCBDの使用を承認して以来、7.9万品を超える製品がブラジルに輸入されました。

メキシコは政治にも大きな影響を及ぼす

メキシコは前例のない進展を見せる可能性があります。2018年後半に最高裁判所が出した大麻を禁じることは違憲であるとの判決を受けて、メキシコは大麻を成人用に向け完全に合法化すると予想されています。医療用大麻プログラムは現状CBDのみであり輸入に依存していますが、これもまた間もなく変わるかもしれません。

合法的な大麻がメキシコの困難な社会的および経済的課題へ取り組む手段として、多くの人が考えています。

「暴力、汚職、および経済問題に関する主な社会的懸念は、次期大統領であるObrador氏の政治的目的に反映されている」とレポートは述べています。「Obrador氏とメキシコの他上級政治家は合法的な医療用大麻プログラムに基づいて、完全に合法的な連邦規制構造に拡大しようとしている。メキシコ南部の教育と経済発展を改善し、輸出を増加させながら米国からの食料輸入依存を減らすために、大麻が次の政権でどのように支援されるかについて経済的にも注目すべきだ」

パナマは今後に期待できる

最後に、レポートはパナマについて述べられました。

今のところ、大麻はパナマで違法となっています。パナマ政府は最近、保健省からの特別な「衛生許可証」を付けて、例外的な医療CBDの使用を許可し始めました。

国会は、現在国内での栽培を含む幅広い医療プログラムを確立するための法案を検討しているため、制度改革への道は築かれている途中と言えるでしょう。

公平性についての議論なし

このレポートでは、GMP(Good Manufacturing Practices)の基準を確立する必要性について触れていますが、独自の分析がもつ深い考察の一部を回避しています。コロンビアは「製造コストの低さ」で知られていると著者らは書いていますが、これはすでに「コーヒーや切り花の主要な輸出品でも見られる」と指摘しています。他の産業と大麻産業が経済的な利点を分かち合うかかどうか、労働組織の抑圧、また伝統的な農地の強奪も複雑になるかどうか、などの問題を提起するべきす。

レポートは楽観的な立場として「ラテンアメリカの大麻生産者と加工業者は、人件費の地域差だけに基づきヨーロッパとラテンアメリカの生産者と比較して、自然なコストベースの優位性を持つだろう」と述べています。また、厳しめの意見としては「中南米の生産者は低コスト生産に優位性があるので、ジンバブエやレソト、南アフリカ、タイといった国々が大麻の輸出ビジネスを構築する準備をしているため、アフリカとアジアの生産者による今後の国際競争に備えることが重要だ。 その結果、コストの抑制はラテンアメリカすべての生産者にとって戦略的優先事項であり続けるべきである」と結論づけました。

昨年、 カリフォルニア州は合法化された大麻業界のために「公平」なプログラムを作成する法案を可決しました。新興の大麻産業が他の農業輸出部門を特徴付ける社会的不公正を避けることであるならば、ラテンアメリカ諸国もこの考えに取り組まなければならないかもしれません。

おもしろいことに、新しい業界である大麻市場のアナリストは、多くの論文で記載されているように「marijuana(マリファナ)」という言葉を避けて、「Cannabis(キャナビス)」と記載しています。これは、過去の汚名に関連しているためと考えられています。

日本でも大麻が合法化される場合、何か他のネーミングが付けられるかもしれません。

参照:cannabisnow


カテゴリー:投資/経済
タグ:CBD,ウルグアイ,コロンビア,パナマ,ブラジル,メキシコ

KSUK

HipHopが好きなことから大麻に興味を持つ。医療用途での研究結果から、さらに大麻へ深い関心を持つ。そんな23歳が運営しています。