ハーバード大学の研究機関が貧困国医療として大麻の可能性を探る

学び By KSUK
ハーバード大学の研究機関が貧困国医療として大麻の可能性を探る

貧困国および発展途上国で根拠に基づく植物医学へのアクセスを増やすという使命の一環として、新しい共同研究機関は大麻を研究しています。

ハーバードメディカルスクールの国際植物医学研究所(IPI)は、ハーバードメディカルスクールで開催された2019 Global Health Catalyst Summit(世界健康触媒サミット)の期間中である、5月26日に設立されました。

同サミットは、主に医療へのアクセスにおける格差縮小に焦点を当てた年次会議です。植物医学は、予防および治療目的のために植物を使用した医療行為の事を指します。

ハーバード大学の研究者、貧困国の医療として大麻を探る
Cannabis Science Harvard IPI Work and Induction (Cannabis Science, Inc.)

大麻は、IPIが研究を開始する主要な植物の1つです。

IPIは、蓄積されたハーバード大学での豊富な科学技術を応用し、他の教育機関や民間企業と戦略的に提携していくことで、影響力の高い可能性のある薬用植物を「世界の健康と経済発展のためエビデンスに基づいた医薬品グレードの製品に」に転換することを目指しています。

この取り組みを率いているのは、Brigham and Women’s Hospital(ブリガムアンドウィメンズ病院)およびDana-Farber Cancer Institute(ダナファーバー癌研究所)に所属する、Global Health Catalystの責任者であるWil Ngwa教授です。Ngwa氏は、この協力関係を大麻の薬効に関する集中的かつ詳細な研究を提供する鍵だと考えています。

「非常に多くの人が集まる必要がある。ハーバードはそのプラットフォームを提供している」とNgwa氏は言いました。

このプロジェクトにおける初期の資金調達は、Brigham and Women’s HospitalとDana-Farber Cancer Instituteによって提供されたものであり、資金援助と業界パートナーとの支援による研究契約も含まれています。

Harvard Global Health Catalyst SummitのコーディネーターであるLydia Asana博士によると、開始初期からの投資額はすでに600万ドル(約6.4億円)に達していますが、現在進行中のパートナーシップから、さらに多くの資金流入が期待されています。

Global Health Catalystは、これまでガンや非伝染病の研究に重点を置いてきましたが、ここ数年で同センターの研究者たちは疼痛管理に関心を持つようになったと、Asana氏は述べています。

「それがきっかけとなってカンナビノイドを使った最初の実験が始まり、痛みの治療に使われる可能性が出てきた。色々なことが一緒になってきているように思えたので、疼痛管理を探究するには素晴らしい時間だった」

貧しい国や開発途上国では、鎮痛薬の入手手段は非常に限られています。たとえば、国際麻薬取締委員会(INCB)が2010年〜2013年の間で世界の平均分布を調べたレポートによると、世界中に流通しているモルヒネ相当のオピオイド329トンのうち、わずか約22ポンド(9.98kg)のみが低所得国に送られています。

INCBが2015年に発表したレポートでは、世界人口の75%が適切な鎮痛薬を利用できていないことを報告しています。

Lancet Commission on Pollution and Healthによる2017年の調査では、2015年に死亡した2550万人以上の人々が、健康に関連した深刻な被害を受けていることが示されています。そのうちの80%以上は開発途上地域の人々であり、その大多数は緩和ケアや疼痛緩和を受けられなかったのです。

Lancetのレポートによると、毎年250万人近くの子どもたちが深刻な健康被害で死亡しており、その98%は開発途上地域の子どもたちです。

「これはアフリカ諸国と東南アジア諸国の大きな問題だ」とAsana氏は言います。

研究計画の幅を示すため「農場からベッドサイドへ」という言葉を使ったNgwa氏によると、研究所は既存の混乱を招き、矛盾する大麻関連の科学的情報を整理する目的で、作物を調べ始めると述べました。

Ngwa氏は、「問題だと思うことの1つに、カリフォルニア州で栽培されているかマサチューセッツ州で栽培されているかにかかわらず、各大麻製品が同じではないことだ」と言います。

Ngwa氏によると、同研究所はハーバード大学医学研究所や他のハーバード大学施設にある麻薬取締局(DEA)に承認された施設で運営され、製薬業界のパートナー企業に品質保証を提供します。また、同工場の基準や用途を統一するための研究にも着手する予定です。

「我々は、どのような分子がどのような量で存在しているかを特定するため、高品質で信頼できる科学的分析を提供し、研究の結論やマーケティング等に情報を与えるであろう、データに基づく比較分析を提供することができる」とNgwa氏は語りました。

協力者と業界パートナーの数は、ハーバードを拠点とする研究所において前例のないレベルを示しています。

IPIの業界パートナーには、天然医療薬品のリーダーであるFlavocure Biotech Inc.が含まれます。もう一つの巨大なパートナーはLocker Room Consulting-Nestre-Primative(LNP)コンソーシアムです。

Locker Room Consultingは、元National Football League(NFL)のレシーバーであるCalvin Johnson氏を含むプロスポーツ選手のグループによって設立され、ビジネスや慈善活動の分野で元アスリートを支援している組織です。

NFLとNFLプレイヤーアソシエーション(NFL選手協会)は、2019年に大麻などの代替療法を含む、選手の疼痛管理のため追加的な資金を支援する計画を発表しました。

教育パートナーには、ペンシルベニア大学、英オックスフォード大学、マサチューセッツ大学、ドイツのハイデルベルク大学などが名を連ねています。

研究所は設立されたばかりのため、スタッフや今後の臨床試験の焦点はまだ決まっていませんが、2020年に臨床試験を開始できると期待されています。

参照:weedmaps


カテゴリー:学び
タグ:DEA,NFL

KSUK

HipHopが好きなことから大麻に興味を持つ。医療用途での研究結果から、さらに大麻へ深い関心を持つ。そんな23歳が運営しています。